パソコンからFAXを送信する


目次
FAX送受信に必要な物
パソコンからFAXを送信するメリット
FAXの受信について
FAXモデムの製品と種類
ドライバについて


もともとパソコンはFAXとして活用されている部分もありました。
現在ではそういった使い方をされていることは割合で言えば相当少なくなっていますが、事業所でも個人でもパソコンからFAXが送れると便利です。

パソコンからFAXを送信するイメージとしては、 最も分かりやすい例は印刷です。
エクセルでもワードでも、メモ帳でもプリンターから印刷できます。
それと同じように、エクセルなどで開いているファイルを直接FAXとして送信し、相手方のFAXから印刷するわけです。


FAXの送受信に必要なのは
・ FAXモデム
・ 送信ソフト
このふたつです。

FAXモデムとはインターネットのダイアルアップ時代に使われていた、いわゆる「モデム」です。
モデムはもともとインターネット以前からパソコン通信でも使われていましたが、 それ以上に使われていたのがFAX通信なのです。

送受信ソフトは
・ WindowsXPの場合 FAXコンソール
・ Windows7の場合 Windows FAXとスキャン
などがあり、Windows7では予めWindows FAXとスキャンがインストールされています。
また、高機能な物ではインターコムのFAX送受信定番ソフト、まいと〜くはあまりにも有名です。

事業所などでは複合機を設置している場合、 各パソコンから複合機を使ってFAX送信できますが、 それは複合機にFAXモデムが内蔵されているためで、 これをパソコンに取り付けると、どんなパソコンからでもFAXが送れるというわけです。


パソコンからFAXを送信する最大のメリットは、「紙を使わない」ということでしょう。
手書きの場合は、用紙に必要な事を書き、その用紙をFAXに読み込ませて送信します。
パソコンから印刷する場合でも、一度用紙に印刷し、その用紙をFAXに読み込ませて送信します。

パソコンから直接FAXが送信できると、紙を使う必要がないのでコストダウンできます。
特にインクジェットプリンターから一度印刷するような場合では、 余計にインクコストがかかってしまいます。

他のメリットとしては、キーボードを打つのが速い場合は手書きよりも楽になります。
品質も一度FAXに読み込ませなくても良いため、文字も比較的きれいですし、写真や地図、画像なども比較的鮮明になります。
FAXソフトにもよりますが、FAXの送信ログが残るため、いつどんなFAXを送ったかが後からでも確認できます。


パソコンでFAXを受信する場合、パソコンが起動している必要があります。
そのため、常に受信できるようにするには、パソコンの電源を入れっぱなしにしなければいけないので、電気代がかかります。
ここでは初心者向けに「パソコンでできること」を紹介しているので詳しくは触れませんが、 こういった用途でパソコンの電源を入れっぱなしにしても、 月にかかる電気代はパソコンのみの場合千円程度です。
これはパソコンや設定にもよりますし、 高性能なパソコンほど電気代がかかるため向いていません。

一般的なFAX機能付き電話機の場合、受信する際に常に用紙とインクリボンを使います。
毎日何通も受信する場合はパソコンの電気代以上にコストがかかるでしょう。
パソコンで受信する場合は、画面上で確認できるため、用紙に印刷する必要はありません。
また、FAX機自体にも若干電気代がかかるため、その分も考慮するとさらに相殺できます。


FAXモデムはダイアルアップ時代には多くのパソコンに標準で搭載されていました。
パソコンをインターネット接続するのが一般的になった為です。
しかし近年では一般回線でのダイアルアップ接続は通常行わないため、 FAXモデムの需要は激減しました。

普及時には内蔵FAXモデムが千円ほどで購入できたのですが、 需要も供給も少なく、探さないといけないほどになっているため、金額も以前より随分上がっています。
しかし、据え置き型FAXモデムが一般的だった頃と比べればまだ安いようです。

また、こういった製品はいつまでも同じ物があるわけではないので、 個別に紹介するのは難しいのですが、 これを書いている時に確認したFAXモデムではマイクロリサーチ社MD30U(\6,000ほど)などのUSB接続タイプのほか、据え置き型もありました。
マイクロリサーチ社は企業向けのネットワーク機器の販売を行っているため、 今後もFAXモデムの販売を継続されることも期待できます。
(FAXモデム自体が事業所向けであり、今日でもFAXは必須機材だからです。)

 USB接続FAXモデム
片側がUSB、もう一方が電話線をつなぐモジュラー端子になっているモデムです。
USB接続のため、デスクトップパソコン、ノートパソコン問わず接続が可能です。
LINE端子しかない物も多いため、電話機のスルー端子や壁のモジュラー端子に接続します。

 内蔵型FAXモデム
パソコン内部のPCIバスなどに接続するタイプで、最も普及したモデムです。
以前の中古市場では余るほどの量があったため、 その当時では中古で200円などもありましたが、 現在では数が少なくなっているためか、中古品が見つかったとしてももう少し金額は上がるようです。
通常はスルー端子がある為、電話機と壁のモジュラー端子の中間にも接続可能です。
これは下記据え置き型FAXモデムでも同様です。

 据え置き型FAXモデム
インターネット接続が一般化する以前にスタンダードだったモデムです。
その当時の製品の場合、RS232C接続する物が一般的だったため、 中古品を購入する場合には注意が必要です。
現在(2014年)のパソコンにRS232Cが付いているものは非常に稀です。 (自作系パソコンの場合、内部端子を持っている物は今でもあります)
また、RS232CをUSBに変換・接続する製品を使うことで接続は可能ですが、 相性やドライバの問題もあり正常動作するかも不透明なためおすすめはできません。
この場合、デスクトップパソコンなら内蔵タイプのRS232C拡張カード、ノートパソコンならPCカード型のRS232C拡張カードの方が安定するのでおすすめです。


新品を購入する場合は通常デバイスドライバが付属しています。
上記に挙げたMD30Uは、メーカーサイトによるとWindow7、8.1でも動作するとのことです。

中古を購入する場合はドライバが添付されていないことも多いのですが、 XP時代に販売されたFAXモデムの場合、Windows自体がドライバーを持っている場合もあります。
この場合は、FAXモデムをパソコンに取り付け起動すると、Windowsが自動でドライバをインストールします。