動画や写真を編集してDVDビデオにする

近年ではパソコンの性能が向上したことにより、一般に使われているパソコンでも動画編集がしやすくなりました。
特によく聞く使われ方は
・ 結婚式で流す動画の編集とDVD作成
・ 卒業式などでこれまでの写真や動画を編集してDVD作成
などです。

ここでは多くの方が動画編集とDVD作成で行き詰るところに絞って解説します。
大切なキーワードは
・ 動画編集ソフト
・ DVD形式(mpeg2、エムペグツー)に対応していること
です。



動画編集・DVD作成用のソフトの用意

Windows10
Windows10ではバージョンにもよりますが、標準でインストールされている「フォト」のビデオエディターで動画編集ができるようになりました。
動画のカットや動画同士をつなげることもできるので、例えば1時間ある動画から必要な部分だけをカットして、それらをつなぎ合わせて数分の動画にすることもできます。
フォトで動画編集ができない場合はWindows10をアップデートしてください。
フォトでの動画編集はこれまでに何らかの動画編集ソフトを使った経験がある方であれば、ほとんど直感で操作していける内容でとても使いやすく、動作も軽快です。


WindowsXP・Vista・7・8
動画編集・作成用のソフトとして有名なものにWindowsXPの頃からインストールされていた「ムービーメーカー」があります。
しかしWindows7からは標準でインストールされなくなったため、別途用意する必要があります。
ムービーメーカーはマイクロソフトのサイトから無料でダウンロードできるため、そちらからダウンロードし、インストールすることもできます。
現在(2014年3月)ムービーメーカーはWindows Essensialsというソフト群の一部となっていて、 Windows Essensialsのインストール時に「ムービーメーカー」や「Windows Live mail」などのインストールを選べるようになっています。
ダウンロードはマイクロソフトのサイト ムービーメーカーを入手する からできます。
WindowsXPからVista/7/8など各バージョンごとのダウンロードが可能です。

いわゆるホームビデオで撮った動画の場合、製品の添付品に動画編集ソフトが付いている場合があるので確認してください。

今後も動画編集やDVDの作成をする予定があるのであれば、なんらかの「動画編集・DVD作成ソフト」を購入するのもひとつの方法です。
なぜなら、フォトやムービーメーカーだけでは家電品の「DVDプレーヤー」で再生するDVDが作れないからです。
これについては下記の「DVDにする場合、そういったソフトがあるか確認する」もご覧下さい。


動画編集・DVD作成用のソフトの使用上の基礎知識

ここでは動画編集をする前やDVD作成時に知っておきたい事を書いておきます。 動画編集を始める前にこれらのことは予め知っておく方が良く、知らないまま始めると、作業がまるまる無駄になることもあります。
動画編集やDVDを作成するソフトの使い方は、ここでは説明しませんので、それぞれのソフトのヘルプファイルなどを参考にしながら作成してください。

 最初に簡単な動画を作り、完成させる
本番の動画の編集作業をする前に、動画や写真数点だけで簡単な動画を作り、一度完成させます。
ここでの完成とは、ムービーメーカーでの「ムービーの保存」、フォト(ビデオエディター)での「ビデオの完了」までが正常に終了するまでです。

冒頭でも触れましたが、パソコンの性能が向上したため、一般に使われるパソコンでも動画編集などができるようになりましたが、パソコンにとって動画編集というのは結構大変な仕事です。
そのため、動画の編集や保存などのどこかで「エラーのため強制終了」することも珍しくありません。
毎日何時間もかけて編集したプロジェクトが、最後の最後でムービーにできないなんてことになったらがっかりです。
しかも通常はプロジェクトに含まれるファイルは参照した元の場所にないとダメなため、 写真はピクチャのとあるフォルダから、動画はビデオのとあるフォルダからなどのようにバラバラに参照していると、 ムービーメーカーが動作する他のパソコンにプロジェクトファイルを移動して作業をしようと思っても、それら参照しているパスが元々のパスでないと参照できないため、 それらの知識がないと、他のパソコンで作業を続行するといったことも難しくなります。

まずはお使いのパソコンで正常に動画として保存できることを必ず確認することをおすすめします。
本番の動画編集時も、作成途中で動画として保存できるか度々確認すると良いですね。

 DVDにする場合、そういったソフトがあるか確認する
すでに述べたように、ムービーメーカーやフォト(ビデオエディター)だけではDVDプレーヤーで再生できるDVDの作成ができません。
他の動画編集ソフトでも同じようにDVDビデオの作成ができない場合もあります。
簡単に言えば、動画の形式が違うからです。

使う側にとっては非常に面倒でしかないのですが、動画の形式はいくつもあります。
よく見かけるものとしては
・ YouTubeなどで使われるFLVやmp4やその他の形式
・ Windowsが標準としているwmv
・ ホームビデオなどで使われるm2ts
・ DVDプレーヤーの標準であるmpeg2
などです。
これらの動画形式は、再生する側が対応できているかどうかによって再生できるかが決まります。

ムービーメーカーで保存できる動画形式はいくつもありますが、現在のところその中にmpeg2はありません。
保存できる形式のmp4やwmvなどは逆にDVDプレーヤーで再生できない場合もあります。

つまり、保存した動画形式から「DVDビデオ(mpeg2)」に変換や編集できるソフトが必要になります。
これはお使いのパソコンにすでにインストールされている場合もありますが、入っていない場合も多いので、その場合別途用意する必要があります。

Windows7では「Windows DVDメーカー」が標準でインストールされています。 これはWindows7にmpeg2コーデックがインストールしてある為で、DVDビデオが再生できるのもこの為です。
WindowsXPではmpeg2コーデックは別途用意する必要がありましたし、今後のWindowsで予めインストールしてあるとは限りません。
Windows DVDメーカーで作成した動画はDVDビデオ形式のため、一般的なDVDプレーヤーで再生できます。

また、販売されているソフト以外では、パソコンに接続するDVDドライブなどを購入したことがあれば、添付品として付いている場合もあります。
中には2,000円前後で購入できるデスクトップパソコン用DVDドライブに付いていたこともあります。
有名な物ではLG製のDVDドライブにPowerProducerが添付されていましたが、現在(GH24NSB0など)は残念ながら含まれていません。

そういったソフトがインストールされていない場合でも、ライティングソフトで対応できる場合もあります。
下記の「DVDメディアへの書き込み」もご覧下さい。

他にはフリーウェア(GPL)でDVD Flickというものがあります。
基本的に英語なのですが、多くの項目が直感で操作できるような見た目なので有力な候補です。
日本語化パッチや日本語化された派生バージョンもあるようです。
動画の対応形式はmp4やmpeg2などで、DVDへの書き込みもできます。

 動画編集は無理のないように
動画や音声を挿入していく場合に、それぞれのファイルは無理の無いように配置していくことでエラーや変な挙動を防ぐことができます。
例えば、ひとつ目の動画ファイルが5分あり、ふたつ目の動画ファイルを4分50秒に配置するなどは避けて下さい。
同じように音声ファイルもなるべく重ならないように、重ねる場合は同じラインからスタートさせないなどです。
ソフトやパソコンによっては問題ない場合もありますが、それが問題となってコマ落ちしたり音が途切れたり、そもそもの映像音声が再生されないなどのトラブルの原因となる場合があります。
ムービーメーカーで保存したプロジェクトを再度開いた時に、音声がずれてしまったり、バラバラになってしまうのも同じような原因です。
その場合、挿入している音声ファイルを他のソフトを使って、最初や最後を少し切り、短くすることで収めるなどもできます。

映像や音声を重ねたりする場合は、別にそれのみで動画や音声ファイルを作っておくのもひとつの方法です。


DVDメディアへの書き込み

完成した動画をDVDに書き込む場合は下記の二種類があります。
1. Windowsやライティングソフトを使ったデータの書き込み
2. DVDムービーディスクの作成

1のデータの書き込みはmp4やwmv形式のデータをそのままDVDメディアへ書き込むだけです。
この場合再生可能な機器はパソコンや、それらの形式で再生可能なDVDプレーヤーのみです。
パソコンで見てもらうことを前提としているのであればこちらで良いことになります。

2のDVDムービーディスクは、家電品のDVDプレーヤーで再生できる書き込み方法で、市販されているDVDビデオなどと同じ形式で書き込みます。
市販の動画編集ソフトなどではこういった書き込みまでできるソフトもあります。
これからソフトを購入する場合は、DVDビデオ形式で出力や書き込みができるかどうかも確認しておくと良いでしょう。

また、DVD-RやCD-Rへ書き込みを行うライティングソフトの中には、ムービーメーカーやフォトなどで作った動画ファイルをDVDビデオ形式に変換して書き込めるものもあります。
特に日本製のPCにはインストールしてあることも多いので確認してみて下さい。
操作はライティングソフトによってまちまちですが、通常、「DVDビデオの作成」や「DVDムービーの作成」といった項目があればそこから書き込みができる場合があります。
ただし、添付品などのおまけソフトでは項目はあってもできない場合もあり、その場合は上位の有料版ソフトの購入を促される物もあります。

いずれにしてもDVDへの書き込みは、動画編集ソフトやライディングソフトから「DVDビデオの作成」などを選び、書き込みをします。




動画編集とDVD作成について解説してきました。
このページを最初に書いた頃は動画編集もまだもう少しハードルがあったのですが、スマートフォンが普及して以降、多くの人が日常的に動画を撮影するようになり、 それに合わせて動画編集アプリも増え、Windows10のビデオエディターの動画編集機能も追加されるなど、簡単に動画編集ができるようになりました。
また、時代の流れとしてはDVDなどのメディアを利用することが減少してきていて、mp4などのデータをそのまま利用することが増えています。
発表会などの催しの動画を撮影し、関係者にDVDを配るということはごく一般的にされてきましたが、2022年現在ではネットワークストレージなどの何らかの場所に編集後の動画をアップロードし、 関係者へは「ここからダウンロードしてください」というようなメールやメッセージを送ることで完了します。
長時間の動画であればDVDの配布が今もおすすめです。

動画のDVDに限らず、メディアそのものを使うことが少なくなったこともあります。
例えば超薄型のノートPCやタブレット端末をパソコン代わりにしている場合、DVDドライブが付いていないのでメディアではなくUSBメモリなどでデータそのものを利用します。
それを使っている人でも外付けDVDのひとつくらいは持っているものですが、ダウンロードできれば楽ですし、それを望む人が徐々に増えているように思います。

このようなことから、もしDVDへの書き込みがうまくいかないような場合は、mp4などのデータをそのまま利用したり、渡したりすることを検討する価値はあります。