1台のパソコンで2画面表示

パソコンには2台以上モニター(画面)を接続して同時に2画面表示できるということはご存知でしょうか。
これはデスクトップパソコンだけでなく、ノートパソコンでも2画面表示が可能で、実際に使ってみて初めてその便利さが理解できます。
ここではマルチモニター(2画面)でどのように活用するのか、その設定方法などをお話しします。

マルチモニター(2画面表示)の使用例

ノートパソコンにもう一台モニターを接続した例。ノートパソコン(右)にデスクトップで使われるモニター(左)を接続し、領域を拡大している。


使うソフトによってはモニターの解像度が広いほど作業がしやすくなるものもありますよね。
そうはいっても極端に大きなモニターは高価になり手が届かないところもあります。
主流の大きさのモニターであれば購入しやすい価格でもあるので、それで2画面表示やマルチモニター環境にする方が財布にもやさしくなります。

それを踏まえ2画面表示にするとどうなるかと言うと、解像度で言えば横に2倍になるわけで、作業領域が2倍になることが分かります。
同じものを2画面両方に映すことも可能で、ノートパソコンに大きなモニターを接続するといった使い方もできます。
また、パソコンによっては出力端子それぞれに接続することで3画面にしたり、出力を拡張することで4画面や5画面など、たくさんのモニターに同時に出力することも可能です。


それぞれの場面でのメリット

 写真
現在ではデジタルカメラやスマートフォンで撮った写真を、パソコンを使って加工する人も増えました。
その時に使うソフトは使えば使うほど色々なウィンドウを出すようになるため、ひとつのモニターでは手狭になります。
これが2画面表示になると、一方に実寸表示、もう一方に縮小や拡大表示などのように、参考にするものと作業領域を分けることができます。
ひとつの画面でそれを切り替えて作業をすることを考えると、2画面表示は圧倒的に便利です。

 仕事
特に良く見かけるのは参考資料を基に資料を作成する場合です。
例えばPDFを見ながらエクセルで資料を作る(またはその逆)などといったことは、2画面あってようやく快適にできることで、 1画面でそれぞれの幅を狭めたり、見えなくなるほど小さく縮小するのは、2画面表示での作業に一度慣れてしまうと二度と戻れないでしょう。

 アーティスト
絵や音楽を自分で造り上げる方にとって2画面表示の環境は古くから定番となっています。
これはあまりにも知られているところでもあるので特に説明の必要はないほどでしょう。
アーティストの作業部屋などで2画面・3画面置かれていますよね。
特に音楽の製作は大量のウィンドウを出す為、最低2画面は必要と言えるくらいで、1画面では作業効率がすごく落ちてしまいます。

 趣味、実用
近年では部屋にパソコンはあるけどテレビは無いという人もいるほど、パソコンはごく当たり前に使われるようになりました。
若い世代の方ではこれまでのテレビのように、パソコンをつけっぱなしでニコニコ動画、生放送やYouTubeを再生している方も多いです。
ただそれでも、パソコンで動画を再生している時にインターネットをしたい時もあります。
モニターが1台しかないと普通は動画側を小さな表示にして、あまったスペースでブラウザを使うしかありませんが、2画面あれば一台はフルスクリーンで動画を再生し、もう一台で普通にインターネットができます。
パソコンにテレビチューナーを付けてテレビを見る場合も同様です。

ここであげた事はあくまで一例にすぎず、何かを見ながら何かをするということは良くあることです。
下に隠れたウィンドウを切り替えながら作業をするより、同時に見れる方が便利なのは間違いありません。
あなたが日常的に使っていることで、そういうことはありませんか?


マルチモニター(2画面)の設定方法

 接続
現在のパソコンにはモニターの接続端子が複数付いている物があります。
D-Sub15ピンやHDMI、Displayportなどです。
これからモニターを購入したり用意する場合は、まずここの端子が何であるかをチェックして、同じ端子のあるモニターを用意します。
これはデスクトップパソコンでもノートパソコンでも同じです。

接続したらモニターの電源を入れてからパソコンを起動します。
ここではまだもう一台のモニターには何も映らないので以下の設定をします。(Windows10など、映る場合もあります)


 2画面の設定

ここではWindowsXPでの設定例を紹介しますが、「何を」変更するかさえ覚えてしまえば、Windows7でも8でも10でもその他のOSでもさほど違いはありません。
1. デスクトップを右クリック
2. プロパティをクリック(Windows10の場合「ディスプレイ設定」)
3. 「画面のプロパティ」の「設定」タブをクリック(Windows10の場合「マルチディスプレイ」の項)
マルチモニター(2画面)の設定
4. 「モニタアイコンをドラッグしてモニタの実際の配置と合わせてください。」の2をクリック
5. 「Windowsデスクトップをこのモニタ上で移動できるようにする」のチェックを入れる
6. 右下の「適用」ボタンをクリック
これでもう一台のモニターが認識され、2画面使えるようになります。
必要に合わせて、2のモニターの位置を左や右にドラッグして移動したり、「画面の解像度」を接続したモニターの最大解像度に合わせたりします。
この設定画面でうっかりしやすいのは、設定するモニターは1や2のモニターをクリックして青い縁が付いている方(選択している側)に適用されるということです。
選択しているのが1の時に解像度などを変更しても2のモニターは変わらず、1が変わるということに注意して下さい。

この2画面表示の設定はノートPCでもデスクトップPCでも同じです。
モニターも2台以上が接続可能であれば、3台目4台目も同じように設定できます。

パソコンによってはこれだけでは映らない場合もあります。
特にデスクトップパソコンの場合、BIOS設定が必要な場合もあります。
これは使っているパソコンによってバラバラなので、上記の設定のみでマルチモニターができなかった場合、メーカーや購入店に相談して下さい。

また、ノートパソコンの場合持ち運べるのが利点ですが、標準のモニターはどうしてもデスクトップパソコンと比べて極端に小さいため、 普段は標準のモニターを使い、大画面で見たい場合だけ接続するといった使い方も便利です。


1台のパソコンで2画面を使う方法について解説してきました。
現在は2画面表示でパソコンを使っている人がすごく多くなっており、会社で使っているパソコンを2画面表示にしたいという相談も良く受けるようになりました。
また、2014年ごろからはYouTubeに動画をアップロードする人も増えたため、動画編集用に2画面表示にしたいという人も同じく増えました。
2画面の環境が多くのパソコンで簡単にできるということが広く知られるようになったこともありますが、21.5インチの一般的なパソコンモニターの単価が1万円程度で買えるようになったのも大きな理由ではないでしょうか。

設定方法については、Windows95からXPまでがほぼ同じでもっとも分かりにくく、Vistaと7もXPと比べて分かりやすくなった感じはありませんでしたが、 Windows8や10では、多くの場合つなぐだけで2画面での動作が実現できるので、こういったことが苦手な人でもやりやすくなっています。

その他にはテレビにもHDMIなどで接続し、2画面表示の環境ができます。
例えば普段はテレビを見ながらパソコンを使っていて、必要な時は2画面にするといったことができます。