バックアップの基礎知識

パソコンで言われるバックアップとは、全く同じデータをふたつ以上別の箇所に保存することを指します。
バックアップを取る理由は、データを保存している物(ハードディスクドライブ等、以下HDD)が壊れてしまうと、そのデータを取り戻すことができないからで、 特に写真など、自分にとって大切なものほどバックアップを取る重要性が高くなります。

ノートパソコンを使っている方に多いのが、パソコンのHDDがいっぱいになったから、外付けHDDにデータを保存するようにしたというような使い方ですが、 この場合データはそれぞれ1箇所にしかないため、全くバックアップになっていません。

外付けHDDにバックアップを取るのであれば、パソコンのHDDにも全く同じデータを残しておくべきです。
しかしながらノートパソコンは、内蔵されているHDDがデスクトップパソコンと比べ小さいことなどから、どうしても多くのデータを保存することが難しい場合もあります。
そういった場合に理想的なのは、外付けHDDを2台用意し、それぞれに全く同じデータを複製しておくことです。

それ以外にDVD-RやUSBフラッシュメモリにバックアップを取る方もいるので、それぞれの利点欠点をお話しします。


バックアップに使う物

データのバックアップを取るには一体何を使ったらいいの?と良く聞かれます。
これはその人が扱うデータ量などにもよるため一概には言えないのですが、個人的にはHDDがおすすめです。
とは言え、それで永久保存ができるかというとそうでもないですし、「どんなものでもいずれ壊れる」ということもあります。
以下にそれぞれのメリット・デメリットを挙げます。

 DVD-RやBD-R、CD-Rなどの光学メディア
(※2023年現在、DVD-Rにバックアップをする人はとても少なくなりました。初心者の方では下記のUSBメモリを利用する人が多いようです。)
特に初心者の方に多いのはDVD-Rへのバックアップでしょう。
初心者の方はそれで良い場合もあります。
なぜならデータの重要度が低かったり、データ量が少なかったりするからです。
DVD-Rはどうしても書き込みに時間がかかることや、 保存方法によっては比較的短期間でデータが読み出せなくなってしまうこともある(参考:DVD-Rってどれくらいで読めなくなるの?)のですが、 そういったことが気にならないのであればDVD-Rは1枚の単価も安いのでそれでいいんじゃない、と言っています。

 HDD(ハードディスクドライブ)
HDDの中でも最もおすすめしているのは、リムーバブルを使ったSATA接続でのバックアップです。
細かいことを言えばパソコンに内蔵させる方がおすすめですが、その場合はまた別の問題や不便なこともでてくるので、やはりリムーバブルがおすすめです。
ノートパソコンの場合はUSB接続の外付けHDDに頼ることになりますが、特に1ファイル辺りのファイルサイズが小さい物を、大量に保存する場合はとてつもなく時間がかかることと、 データが化けて壊れることもあるため、少なからずリスクがあることも覚えておきたいところです。
とはいえそういった事は稀なので、DVD-RやUSBフラッシュメモリなどと比べ、大量のデータを高速に保存できるので現状では最もおすすめです。

この場合必ずやっておきたいのは、HDDもいずれ壊れるので、壊れるまでに交換したり、バックアップドライブを2台用意しているのであれば、1台が壊れたらすぐに交換し、データを複製することです。

 USBフラッシュメモリ
特に保存するデータ量が少ない場合に、最もお手軽なのがこのUSBフラッシュメモリです。
書き込み速度は現在のところ、DVD-R以上、外付けHDD未満という位置付けです。
例えば32GBのフラッシュメモリいっぱいにデータを書き込む場合は結構な時間がかかりますが、日々作ったデータを保存する程度であればすぐに書き込みも終わるのでお手軽です。
この場合、データ量が少ないのでパソコンと共に複製を持つことも可能ですし、フラッシュメモリ自体が安いので、それをふたつ用意し、それぞれに複製しても良いですね。

この場合も注意したいのはデータがいずれ消えて読めなくなる可能性もあるということです。
HDDやDVD-Rと比べ大きく違うのは、データの保存に電気を使うため、長く使わない期間があるとデータが壊れてしまいます。
これは定期的にパソコンに挿すことで回復できます。
もう一点は、フラッシュメモリは書き込み回数に限界があることです。
相当な回数が使用可能ではあるのですが、さすがに10年同じ物を使い続けるというのはちょっと考えにくいです。


現在はUSBメモリや外付けHDDにデータを保存する人が増えたのですが、それのみに保存して複製を作らないままそれらが壊れてしまい、データの取り出しの相談を受けることが良くあります。
日頃からバックアップが簡単に取れるようにしてあると、バックアップ作業自体に手間はかかりません。
時間はかかりますが、パソコンを使わない時に開始すればよいだけです。