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DVD-Rってどれくらいで読めなくなるの? |
・ こちらがDVD-Rの保護層。保護層の下の紫色が記録層。
・ DVD-Rのラベル面。ラベルの下側が記録層。こちらを強く傷つけると完全に読めなくなる。
DVD-Rに限った話ではありませんが、どんなものでも劣化しますよね。
たとえば樹脂製品はいずれひび割れたり、鉄製品は錆びて腐食したりなどです。
DVD-Rも保管方法によっては近い将来読めなくなってしまいます。
一般的には「保護層に傷を付けない」ことが大切だと思っている人も多いのですが、保護層は傷を研磨する・埋めるなどの方法で回復させることもできます。
逆に記録層は一度変質してしまうと修復することは不可能なので、今回のテストでは主にこの記録層に対する耐性テストをします。
用意したのは比較的品質に定評のあるDVD-Rメディア。名前は伏せておきます。
これに約500MBのデータを書き込みます。
通常、外周ほどデータの信頼性は落ちるので4.4GBほど書き込む方がいいのですが、今回は特に信頼性の高い内周部に限ってテストしてみます。
DVD以外でもCD-RやBD-Rなどの光学メディアも基本的に同じ考え方です。
また、RWの場合少し違うので今回のテストはそのまま当てはまるわけではありません。
テスト方法は
・ 直射日光の当たる窓際に記録層が上になる状態で放置
このため、直射日光は1日6時間ほどしか当たりません。
屋外に置けば日中ずっと直射日光に当てられるのですが、風雨やその他の要因も含まれる為、室内でテストしました。
こうして放置したメディアを数日ごとにマウントして正常に読み出せるか確認します。
・ 7月11日 PM21:30 設置
面倒なので週に1回程度読み出せるか確認していたところ
・ 8月22日 に読み出せないことを確認
前回読み出せたのは8月15日なので、その間の1週間内で読み出せなくなったようです。
つまり、
約1ヵ月の間、半日程度毎日直射日光の当たる場所に置いておくと読めなくなる。
ということが分かりました。
先にも述べたようにこのメディアの品質は高いため、一般に良く使われているメディアであればもっと短い期間で読めなくなっているでしょう。
この実験結果から、DVD-RやBD-Rなどの光学メディアは光にとても弱いことが分かります。
一般的にDVDなどのメディアは保護層に傷を付けるとダメだという認識だけが浸透しているため、書き込んだ後のDVD-Rの記録層を光に当たる向きに置いてしまう人が多いのですが、おすすめできません。
ちょっと置くくらいであればどちらでもかまわないのですが、置いて放置してしまうようであれば、記録層が下になるようにするべきです。
もちろんその状態でこすったりしないことが前提です。
ただこれはあくまで直射日光という強い光を当てたテストのため、室内の照明などではある程度長期的に保存できることも忘れてはいけません。
直射日光は例えば本の背表紙や置きっぱなしになっている箱などが日焼けしたり、樹脂のケースがパキパキに割れたりするほど劣化を進めます。
そういった意味では記録層を下に向けていても、直射日光に当て続けてしまうと比較的短期間で読めなくなるでしょう。
室内であってもレースのカーテン越しに直射日光が当たる場合もあるので、そういった場所に光が当たる向きに置かないということが大切です。