パソコンのハードディスクって落下させた場合にどのくらいの高さから落としたら、どのくらいの衝撃や振動で壊れるの? |
・ HDDの中身。この円盤が7200rpmや5400rpmという速度で回りながらヘッドで読み書きしているので振動に弱いのも頷けます
パソコンを使う注意事項のひとつに、ハードディスクドライブ(以下HDD)は衝撃や振動に弱いので気をつけよう、とよく言われます。 外付けHDDのケーブルを引っ掛けて倒したら壊れたとか、ノートパソコンの上に物を落としたら壊れたなど色々聞きます。 実際にどの程度の衝撃や振動で壊れるのか試してみましょう。
HDDは特に動いている時は弱いと言われます。
そこで今回は
・ 動いている時
・ 止まっている時
それぞれで落下させるなどの実験をしてみました。
今回使ったHDDはだいぶ前に使われていた3.5インチHDDです。
事前にリードライトが正常にできる事を確認しています。
Windowsがインストールされたパソコンにデータドライブとして接続し、テスト後にリードライトが正常に行われるか確認します。
動作の怪しいHDDをパソコンに接続すると、運が悪いとOSのインストールされたHDDさえ傷つける事もあるので、こういった実験は全くおすすめしません。
まずは動いている時の衝撃・振動テストをしてみます。
HDDが認識している事を確認、テキストデータをコピーし、正常に書き込めたことも確認。
振ってみます。
上下左右に軽く振り、もう一度データのリードライトを確認。正常です!
ケーブルが短くてあまり強く触れないので、振りはこのくらいにして次は倒してみます。
片側を少し浮かせた程度から落としてみます。
落とした後、明らかにヘッドがカッチャンと動く音がしました。
クラッシュしたHDDの例のあの音です。
おそるおそるデータを読めるか確認したところ正常にリードできましたが、キャッシュに入っている事を考慮して新しくファイルを作り書き込んでみましたが、やはり正常にライトできています。
しかし、いらないHDDなのになぜこんなにドキドキするのでしょうか・・・。
同じ高さで何度か落下させてみてもやはり大丈夫なので、もう少しハードルを上げて立てた状態から倒したらどうなるかやってみます。
昔はこれで壊したという人も多いので、ほんとに壊れるのかある意味楽しみです。
横向きに立てて、軽く倒してみます。
同じように一度カッチャンと言うもののリードライト共に正常なので、一度Windowsを再起動して再確認、やはり大丈夫です。
今回使ったHDDが強いのか、案外大丈夫でした。
だからといって倒しても大丈夫というわけではないので、くれぐれも扱いは慎重にする方がいいことだけは覚えておいて下さい。
また、今回のテストではHDDがアイドル状態、アクセスランプが付いていないことを確認してテストしています。
書き込み時にHDDを落とした場合、確実にダメージを与えることは言うまでもありません。
次はHDDが止まっている時に落とした場合の衝撃テストです。
実はHDDのメーカーサイトなどでもどれくらいの衝撃まで耐えられるかなどのデータは提供されています。
信頼できる数字なのでしょうけど、実際にHDDを落下させてみるのが一番分かりやすいでしょう。
ぶつけない時のGはかなり高くても大丈夫なようなので、振るテストはこちらではパスして、落下テストのみやってみます。
さっきとは別の正常動作するのを確認したHDDを使います。
・ 落とす床 コンクリートの上に薄い絨毯。
・ 落とし方 寝かせたままそっと手を離す。
・ 高さ10cm程度から落とした場合
正常にリードライトできる事が確認できました。
・ 高さ20cm程度から落とした場合
正常にリードライトできる事が確認できました。
・ 高さ30cm程度から落とした場合
落とした時に、あ!と思ったのがHDDの角から着地してしまったことです。
さすがにこれはやばいのではと思いながらパソコンに接続してみたところ、
POSTで止まってます!!!
POSTとはパソコン起動時のデバイスに対する簡単なチェックです。
ここで止まるということはデバイスの中に正常動作しない物が接続されているということで、今回の場合言うまでもなくテストで落としたHDDです。
POSTで止まったままWindowsが起動しないので、一度HDDを外してWindowsを起動、USB接続で確認してみましたがやはり認識せず。
壊れてしまったようです。
止まっている時の耐衝撃性はメーカーサイトでも比較的高いのが分かるのですが、運が悪いとこの程度で壊れてしまうということが分かりました。 高さによるものか、着地の向きによるものかはハッキリしませんが、HDDは落とさないように気をつけなくてはいけないのは間違いありません。
今回のようにHDDが認識しなくなった場合は故障したのが分かりやすいのですが、普段からパソコンやHDDに衝撃や振動を与えていると、HDDのデータ領域にエラーを発生させていることがあります。
そういった部分にすでに書き込まれていたデータは完全に読み出すことができなくなり、例えば写真の場合、上半分は正常だけど、下半分はノイズだらけで何か分からない、ということもあります。
ノートパソコンや外付けHDDを落とした場合でも、即座に壊れることはそれほどないのですが、その中のデータが読めなくなることはあり得ます。
そのためのデータのバックアップはもちろんですが、そもそもHDDに強い衝撃や振動を与えないように気を付けたいところです。
ノートパソコンのHDDも衝撃に弱いの?
多くのノートパソコンもHDDが内蔵されているため、衝撃に強いとは言えません。
ただ、ノートパソコン向けに作られている2.5インチHDDは、デスクトップ向けの3.5インチHDDよりも強く設計されています。
とは言え、やはり動作中に衝撃や振動を与える事は危険なので、持ち上げてパタンと落としたり、上に物を落としたりすると運が悪いと壊れます。
実際にノートパソコンを落としたら壊れた、ノートパソコンの上に物を落としたら壊れたという人は後を絶ちません。