パソコンのトラブルシューティング マザーボード編 | パソコネ |
マザーボードはまず目視でコンデンサーの破損や膨らみがないかを確認します。
ここで破損が見つかった場合はマザーボードの交換をおすすめしています。
あまり経験がないとそのコンデンサーを交換しようと考えてしまいますが、
実はこれが結構面倒で、後々酷い目に合います。
(参考:コンデンサー交換修理の基礎知識)
パソコンが起動しない場合に多いのが「電源ユニット」「マザーボード」なので、先に検証が楽な電源ユニットの交換をおすすめします。(メモリやVGAカードなどが原因の場合はBEEP音が鳴るため。鳴らない場合もある)
実際に電源ユニットではない場合もありますが、特に自作パソコンを使っている場合は、今後もこういった確認作業をする時があるので、予備の電源ユニットをひとつ持っておくのも悪くありません。
この場合、最低でも出力は同じ物以上の物を選びます。
起動はするものの非常に不安定だったり、長時間使っていると不安定になる、大きなデータや大量のデータをコピーしていると途中で止まっている場合は、チップセットの熱暴走が考えられます。
Pentium4の頃からチップセットの発熱量が高くなったことから、チップセットのヒートシンクに4cmなどの比較的小さなファンが取り付けられることもありました。
しかし4cmなどの小さなファンは埃によるダメージが比較的大きく、数年で壊れてしまうこともあるため、チップセットにファンが付くことはなくなりました。
とはいえ発熱量が減ったわけではないのですが、以前と比べれば大きなヒートシンクが付いていますし、
純正CPUクーラーのようなトップフローのCPUクーラーが起こす風がチップセット用ヒートシンクの冷却につながることもあり、問題となるほどではありません。
しかし半導体製品は思いのほか耐性が落ちてくるため、新品時に正常動作していた動作クロック、発熱量では後に動かなくなることも珍しくありません。
この場合、サイドパネルを外した状態で扇風機で風を当てながら動作確認ができます。
扇風機無しで止まる場合に、扇風機で風を当てることによって正常動作するなら、チップセットの熱暴走の可能性が高くなります。
電源オン後、ブート画面などが表示されるものの、途中で止まる場合。
PCは電源オン後、POSTと呼ばれる各デバイスの簡単なチェックを行います。
これは本来画面上で確認できるのですが、近年のマザーボードは標準でメーカーロゴなどが表示されることも多いため、BIOS設定画面からロゴを表示しないなどの設定に変更しておきます。
また、通常はエラーがある場合、ロゴ画面ではなくPOST画面を表示します。
一般的なマザーボードでは、VGABIOSがロードされたあと、POST画面に移行し、メモリのチェック、ブート可能なデバイスのチェックへと進みます。
その後画面表示が切り替わりOSのブートへと進むのですが、POSTの途中で止まる、凄まじく時間がかかる場合は、ストレージデバイスの不良が考えられます。
基本的にはSATA1、SATA2、SATA3・・・、のように順にチェックされるので、最後に表示された物、もしくはその次のデバイスが不良と判断できます。
これはHDDだけでなくSSDはもちろん、光学ドライブやUSBで接続されたデバイスもそうです。
BIOSデータがバグって正常に起動しない場合があります。
これはBIOSそのもの(フラッシュROM)が壊れている場合もありますが、単純にセーブ時に失敗している場合はCMOSクリアで直ることもあります。
これも、BIOSなど触っていないから関係ないと思わずにやって下さい。
BIOSはユーザーの操作とは関係なくデータを保存することもあります。
CMOSクリアはジャンパーで行えるものもあるしお手軽なのでそれでOKなのですが、ジャンパーでのCMOSクリアで正常動作ができなかった場合は、ボタン電池を外して数分(念を入れて5分10分待っても良い)待ちます。
その際は電源ケーブルを外しておきます。
マザーボード関連のトラブルはとても多く、原因の特定に手間がかかります。
注意して欲しいのが、「これは関係ないだろう」と思わないことです。
マザーボードに限った話ではないのですが、電気的に接続されている以上、全てのパーツが関係します。
例えばケースファンですら変に接触不良を起こしているとパソコンが起動できない時があります。
マザーボードの場合接続されている物が多いため、トラブルも多くなります。
最も確実なトラブルシューティングは接続されている物を全て外し、起動に必要な最低限の物しか接続しないことです。
ただこれが「これは関係ないだろう」と思い、つないだまま検証する人が非常に多いです。
更に言えば、マザーボード自体もPCケースから取り出して検証する方が確実です。
それを一度に行おうと思うと面倒なのも事実なので、ひとつずつ外しながら起動できるか、正常動作できるかを確認します。
HDDなどの通信ケーブルも外すのですが、気をつけて欲しいのはデバイス側だけを外しておかないことです。
どちらかを外せば影響しないと思ってしまいますが、必ずマザーボード側を外しておきます。
拡張カード類は全て取り外します。
VGAカードがある場合もできれば外しておきたいので、内蔵グラフィックの表示が可能であればそれで、なければローエンド向けのVGAカードを代わりに挿します。
ここまでで起動できない場合は、HDDや光学ドライブなどの電源ケーブル、ケースファンなど起動に必要のない電源ケーブルは全て外します。
それでもダメならさらにUSBヘッダやフロントオーディオケーブルなど全てを外します。
これで接続されているケーブルは、ATX24PIN、CPU補助電源のみになります。
それ以外でマザーボードや電源ケーブルが接続されている場合は必ず全て外します。
繰り返しますが、「これは関係ないだろう」と思わないことです。
USBヘッダですらショートしていると起動できない場合があります。
電源も交換してなおかつここまで外して起動できない場合は、マザーボード自体の不良の可能性はかなり高くなります。(もちろんメモリチェックや他のパーツのチェックをしていることが前提)
ですので、どうせマザーボードを交換しなくてはいけないかも知れないので、マザーボードも外してしまいましょう。
外したら通電しない物の上(ダンボールなど)に置き、ATX24PIN、CPU補助電源を接続、キーボードとモニターを接続して、マザー上のPower Switchをショートさせ起動するか確認します。
実際にここまでして起動できるものもあります。
この場合はもはやPCケースとの接触しか疑える部分がないので、スペーサーやI/Oパネルなどがショートしていないか、取り付けながら確認します。
問題なく取り付けたら再度起動チェックをします。