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HDDやSSDを購入後にすること。領域確保とフォーマット。パーティションとは | パソコンの基礎知識





HDDやSSDを購入後にすること。領域確保とフォーマット。パーティションとは

HDDやSSDを新しく購入し、パソコンに接続したのにエクスプローラーに表示されない場合があります。
ここでは新品のHDDやSSDを使う前に必ず行わなければいけない「領域確保」と「フォーマット」、「パーティション」についてお話します。


HDDやSSDを使うための基礎知識


新品のHDDを使うためには
・ 領域確保をしてパーティションを定義する
・ パーティションをフォーマットする
このふたつの処理が必要です。

HDDは新品の状態やLow Level Formatのようないわゆる完全消去をした場合、それはWindowsなどのOSから見ると「データの書き込みができそうな何か」でしかありません。
ペットボトルに何ml入るか、1ダースに何本入れられるか、などと同じように総容量を定義しなければいけません。
その定義する処理を領域確保といい、それによってパーティションや同義でボリュームなどと呼ばれるデータの書き込める範囲が定義されます。

このパーティションはひとつのHDDにいくつも定義することができます。
ひとつのHDDにふたつのパーティションを作成した場合、それらをCドライブ、Dドライブとすることができます。
メーカー製のパソコンに初めからCドライブとDドライブがあるのは、そのメーカーがその容量でパーティションを分けたからです。
あまり多くのパーティションに分ける必要はなく、分けるほどあとあと混乱するため、通常はひとつかふたつのパーティションで使用します。

そのパーティションの中にどれくらいの単位でデータを書き込んでいくかはまだ決まっていないため、それも決めなくてはいけません。
それがフォーマットです。
一般的にフォーマット=初期化と覚えている人が多く、初期化=消去のように覚えている人もいますが、それは少し違います。
通常フォーマットすることで以前書き込んでいたデータにはアクセスすることができなくなりますが、データそのものが消えたわけではないため、これがいわゆる「フォーマットしてもデータが取り出せる」と言われる状態で、 本当に消すためには「完全消去」をうたっているようなソフトを使うなりをして消去します。
フォーマットはそのドライブに一定の単位でデータを書き込めるように整地しているような動作になります。
一般的には「そのOSが扱えるファイルシステムでフォーマットする」などと言い、その処理自体をフォーマットと言います。

これらはそのOSによって定義されるため、本来Windowsで使っていたものはそのままではMacOSやLinuxでは使えないのですが、全てではありませんが使えるように対応されてきています。
リムーバブルドライブであるUSBメモリがそのまますぐ使えるなどです。

エクスプローラーで表示されるHDDは物理的なドライブではなく、パーティションになります。
そのため領域確保をして初めて、エクスプローラーに表示されます。
フォーマットされているかは関係ないので、パーティションが表示されているなら、そこからそのパーティションをフォーマットすることもできます。

これは内臓HDDや外付けHDDに関わらず必要なことなのですが、一般的に外付けHDDはすぐに使える状態、つまり領域確保と汎用性のあるファイルシステムでフォーマット済みで販売されています。
それは購入者の手間を減らすサービスであったり、パーティションが作成されていないと分からずにメーカーに問い合わせる人が多いため、それを減らす作戦であったり、 何らかのデータやソフト(データ引っ越しソフト等)を予め入れておくためにフォーマット済みであったりです。

内臓HDDについては、一般的に内蔵する場合、そのOSが扱う最新のファイルシステムを使用するため、外付けHDDで使用されるような汎用的なファイルシステムは使わないので、フォーマットされていません。
例えばWindowsであればWindows系列で使われていたファイルシステムは使える物も多いため、WindowsXPで使っていたHDDのデータを消去してWindows10をインストールすることも可能なのですが、 同じNTFSと呼ばれるファイルシステムが使われていてもバージョンがアップデートされているため、通常はWindows10でフォーマットをしてからOSをインストールします。


領域確保とフォーマットの方法

実際に新品のHDDの領域確保とフォーマットの方法について説明します。
この場合HDDをどう使うかで手順も異なります。
1. HDDにOSをインストールする
2. 内臓HDDを増設する
大きく分けてこの二通りです。
1の場合、「OSインストールの手順」になるためここでは省略し、2のHDDを増設した場合についての方法を順を追って書いていきます。
完全消去したあとの外付けHDDを使う場合も2の手順になります。

念のため、HDDの取り付けについても触れておきます。
HDDをパソコンに内蔵する場合、本体内に空きのHDDベイがあるかどうかが重要です。
HDDベイはハードディスクドライブベイと言いますが、通常はデスクトップパソコンで良く使われる3.5インチHDDの場合は3.5インチベイ、ノートパソコンで良く使われる2.5インチHDDは2.5インチベイと言います。
それらを取り付ける空きのベイがあることと、接続するための通信ケーブルと空いている接続ポート、HDD用の空いている電源ケーブルが必要です。
電源ケーブルはパソコンに内蔵されている電源ユニットから出ていて、空きが無い場合は分岐ケーブルなどで増やします。

ノートパソコンは通常空きの内臓ベイが無いため増設はできないのですが、極々稀に一部のモデルで2.5インチの空きベイのあるノートパソコンもあります。

なお、HDDは基盤にメモリを搭載しているため静電気に弱いので、取り扱う際には先に鉄などを触り放電しておく必要があります。
(使っていたHDDを外しただけで壊れたという人はこれが原因の場合も)

取り付けが終わったらパソコンを起動します。
ここでBIOSからHDDが認識しているかを確認しておくこともできますが、OSが起動すれば分かることなので特に必要はないでしょう。
もし領域確保時にHDDが認識していない場合は、改めてBIOSから追加したHDDが認識しているかを確認します。

ここからはWindows10を例に、領域確保とフォーマットを行います。

Windowsが起動したら、画面左下にあるスタートボタンを右クリックし、「ディスクの管理」をクリックします。
Windows7やそれ以前のOSの場合コンピューターを右クリック、もしくはエクスプローラーを開きPCを右クリックし、「コンピューターの管理」から進みます。
Windows10の方法は今後変わる可能性もあるため、Windows7以前の方法も覚えておく方が良さそうです。

新品のHDDを接続して初めてディスクの管理を開いた場合、下記のようなウィンドウが表示されます。


ディスクの初期化ウィンドウ


詳しくは省きますが、MBRはWindowsXPやそれ以前のWindowsで使う場合に、GPTはWindowsVistaや7以降のWindowsで使う場合に選択することになります。
本来そういった意味で選択するものではないのですが、MBRは過去のブートプロセスで利用されていた形式なので、優先して使う理由はあまりありません。

ディスクの管理画面では上半分に全てのパーティションの情報、下半分にHDDごとの状態が表示されます。


ディスクの管理ウィンドウ


通常は「ディスク0」がOSのインストールされているHDDで、今回の場合は「ディスク1」が追加したHDDです。
ディスク0ではいくつかのパーティションが作成済みで、「正常」に動作していることが分かります。
ディスク1は未使用の状態で、「未割り当て」になっています。
その未割り当ての部分で右クリックをすると、以下のようなメニューが表示されます。


新しいシンプルボリュームのメニュー


「新しいシンプルボリューム」をクリックします。
「新しいシンプルボリュームウィザードの開始」が表示されます。


新しいシンプルボリュームウィザードの開始


「次へ」をクリック。
「ボリュームサイズの指定」が表示されます。


ボリュームサイズの指定


「シンプルボリュームサイズ」のところでパーティションのサイズを変更できます。
既定ではそのHDDの最大サイズになっていて、追加したHDDをデータの保存のために使うのであればパーティションを分ける必要はないので、通常は何も変更せずに「次へ」をクリックします。
ここではパーティションを分ける場合どうなるかを見てもらえるように、シンプルボリュームサイズをおよそ半分にして次に進みます。
「ドライブ文字またはパスの割り当て」が表示されます。


ドライブ文字またはパスの割り当て


「次のドライブ文字を割り当てる」のところでドライブ文字を変更できます。
ここでのドライブ文字は全てのドライブが順番に割り当てられていくため、仮にCにHDD、DにDVDがあるパソコンの場合、次のEが割り当てられます。
もしUSBメモリを接続していて、それにすでにEが割り当てられていたら、次のFになります。
通常は変更せずに「次へ」をクリック。
「パーティションのフォーマット」が表示されます。


パーティションのフォーマット


割り当てたパーティションをここでフォーマットできます。
通常は何も変更しないのですが、外付けHDDの場合で、その外付けHDDを他のWindowsではないOSのパソコンで使う場合は「NTFS」ではなく「exFAT」に変更しておくと良いでしょう。
その場合も他は何も変更せず「次へ」をクリックします。
「新しいシンプルボリュームウィザードの完了」が表示されます。


新しいシンプルボリュームウィザードの完了


「完了」をクリックします。
この後に、パーティションのフォーマットが行われます。


新しいパーティションのフォーマット中


ディスク1が「フォーマット中」になっているので、「正常」になるまで待ちます。


新しいパーティションが正常になったところ


「正常」になりました。
ディスク1の左側が今回設定したパーティションです。
半分だけを割り当てたので、右側に「未割り当て」の領域が残っています。
この領域も同じ手順でパーティションを設定し、フォーマットすることで使えるようになります。




ここではHDDやSSDを購入後に必ずする必要のある領域確保とフォーマットについて説明しました。
この作業は本来ならパソコンを使う上で一番最初に学ぶ基礎です。
すでに述べたように、ファイルシステムはOSによってバラバラなため、通常はそのOSで使うごとにフォーマットを行います。
Windowsで使っていたHDDにLinuxを入れようとしたができないといった人が過去に多かったのはこれが原因で、その逆も同様です。
また、USBメモリや外付けHDDを「NTFS」でフォーマットした場合、他のOSで読めないこともあるので、そういった時に「ファイルシステムが違うのかな」と考えられるようになると良いです。




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