知っておきたい!パソコンの基礎知識 |
あなたにあったパソコンの選び方 | パソコンの基礎知識 |
初級編でおおまかにメモリやHDDなどの仕組みなどを学びました。
ここではそれらを踏まえ、もう少し踏み込んであなたにとって必要なパソコンの選び方を考えてみましょう。
現在(2014年6月)販売されているCPUには
・ Core i7
・ Celeron
などといった名称の物が販売されています。
CPUの性能を測る指標には
・ コア自体の性能
・ コアの動作クロック周波数
・ コアの数
主にこれらが関係します。
■ コア自体の性能
上に挙げたCPUは基本的には同じコアが使われています。
つまり、基本性能はほぼ同等と考えていいことになります。
実際にはそれ以外のバスクロックやキャッシュ容量などによって商品の差別化が図られていますが、
コア自体が同じことから、演算処理に必要な性能は基本的には同じです。
■ コアの動作クロック周波数
CPUには3.0GHzなどといった動作クロックが表記され、
これによって性能が分かるようになっています。
基本的には動作クロックの高いものほど高性能(コアが同一である場合)です。
しかし勘違いしてはいけないのは、パソコンは構成する部品全体で総合的な性能となるため、
CPUの動作クロックのみが極端に高いからといってパソコン全体が高性能であるかは別問題です。
例えばCPUの動作クロックが2.0GHzの物と3.0GHzの物では、
1.5倍ものクロック差になりますが、
CPU単体での演算性能は1.5倍にもならず、もっと差はありません。
それがパソコン全体でとなると、さらに性能は僅差になります。
■ コアの数
AMDのAthlonX2以降、一般向けのパソコンで使われるCPUには、
コアが2個以上搭載されるようになりました。
Core i7では4個、Celeronでは2個のコアが内蔵され、並列処理を可能にしています。
Pentium4などのコアがひとつである場合と、コアが2個以上ある場合の処理の流れは右の図の通りです。
これにより、いくつものソフトを同時に使う場合などでの処理速度は大幅に上がりました。
しかしここでも注意したいのは恩恵を受けるのは同時に使っている場合だけであって、
同時に使わなければシングルコアでも処理速度は同じだということです。
例えばワードとエクセルを両方起動して使うことは良くありますが、
常にどちらかだけしか使いません。
そもそもワードとエクセルふたつ同時に入力などできません。
つまり、操作していない側のソフトは「眠っている」のと同じ状態なため、
コアがいくつあったところでその恩恵を受けることはありません。
眠らないソフトの場合はその限りではありません。
しかし複数コアがあると、最低でもWindowsのシステム処理と切り離すことができるため、 最低2個あれば通常の使用でも有意義に活用でき、なおかつコスト的にも優れていると言えるでしょう。
4つなど多くのコアを内蔵するCPUが有意義に活用できるのは、
「マルチスレッド」をうたっているソフトを使う場合です。
例えば動画形式を変換するためのソフトや、3D-CADなどの多くはマルチスレッド対応なため、
Core i7などの複数コアを搭載しているCPUを活かすことができます。
マルチスレッド対応ソフトは、そのソフト自体で処理を分散し、複数のコアを活用しているため、
シングルコアよりもデュアル(2個)、デュアルよりもクアッド(4個)搭載しているCPUの方が処理を速く終えることができます。
ここでも注意したいのは、マルチスレッドに対応しているかどうかはソフトによるため、
・ コア4個まで対応
・ コア2個まで対応
など、ソフトによってバラバラです。
つまり、使うソフトがいくつのコアを活用できるのかを知ることが先決となります。
これらのことから、使うソフトがマルチスレッド対応であるならCore i7やCore i5を、
マルチスレッド対応ソフトを使わないのであればCeleronやCore i3などを選び、
その中から動作クロックの高い・低いものを選ぶという流れになるでしょう。
例えばゲームなどの時間の流れが一定で、マルチスレッドに対応していないソフトなどの場合、
コア数よりも単純に動作クロックが高い物ほど有利であることが分かります。
メモリってどういうもの?でも述べているように、メモリはパソコンの使用者にとって必要な量があれば十分です。
大量にメモリが必要な場面は、従来では実寸サイズの大きな看板デザインをする場合やサーバー用途などしかありませんでしたが、
近年では解像度が上がったこと、グラフィックデータが肥大化したことなどから3Dゲームも多くのメモリが必要になっています。
近年ではセキュリティーソフトの導入が欠かせないため、
基本的なメモリの使用量はWindowsのシステム+セキュリティーソフト分となります。
ここにあなたが使うソフトのメモリ使用量を追加した分が必要なメモリ量です。
例えばWindowsXP時代に使っていたソフト達を、Windows7でも使う場合、
XPと7のメモリ使用量の差、約700MB追加すれば足りることになります。
つまり、WindowsXPで1GBのメモリで快適に使えていたとすれば、
同じソフトを使うのであれば、Windows7では1.7GBあれば足りるわけです。
現在(2014年6月)の多くのパソコンはデスクトップパソコンで4GB、ノートパソコンで2GB以上搭載している物が一般的なため、
特にメモリを多く使うソフトを使わない限り、標準でも多すぎるほどです。
また、多くのパソコンはメモリスロットに空きがあるため、 メモリが少ないという理由だけで高額なパソコンを選ぶ必要はなく、 必要な性能のパソコンにメモリを追加することでコストダウンできます。
パソコンの全体性能や、使用者の体感速度に最も影響するのは、構成する部品の中で一番遅い部品、現在であればHDDです。
メモリで構成されるSSDの登場で大幅な速度アップとなっていますが、
SSDでさえも、最も足を引っ張る部品です。
HDDと言えば主に容量を気にしがちですが、現在主流の1TBや2TBといったHDDは一般的には十分な容量であるため、
ここでは速度だけに絞ってお話しします。
パソコンの処理で必ず必要な部品は以下です。
・ CPU
・ メモリ
・ ストレージデバイス(この場合HDDやSSD)
・ グラフィック
この中で理論速度の最も遅い物が断然HDDです。
HDDに対するデータの読み書きがあると、他の処理はそのデータが読み書きされるまで進めることができません。
中にはそうではない仕組みの物もありますが、概ねそう理解しておいて間違いはないでしょう。
エクセルやワードを使う場合、一度そのファイルを開いてしまえばデータの読み書きはありませんが、インターネットのウェブサイトを見る場合では、ページ毎に読み書きが発生する為、影響を受けやすくなります。
そのような場面でも快適に動作するパソコンということでは、最も処理の遅いHDDを速いものに変えると効果が高いことになります。
HDDってどういうもの?やHDDの容量と速度の関係でも述べていますが、
HDDは円盤サイズが大きく回転数の速いもの、最大容量の大きい物ほど速くなるため、
単純にデスクトップパソコンで使われるHDDよりもノートパソコンで使われるHDDの方が遅くなります。
10万〜20万もするCore i7が搭載されたノートパソコンよりも、5万〜6万程度のCeleronが搭載されたデスクトップパソコンの方が圧倒的に速く感じるのはこのためです。
しかし、SSDの登場によってこの図式が一変し、 ノートパソコンであってもSSDに載せ替えることでデスクトップパソコンに引けを取らない速度となります。
デスクトップパソコンでもHDDよりSSDの方が速いため、 特に速度を気にするゲームユーザーなどでは主流となっていて、 3万以上のVGAカードに投資するよりも、まずSSDに換装する方が圧倒的に体感速度が向上します。
注意したいのはストレージデバイスの性能はチップセットに左右されるため、
旧世代のパソコンにSSDを搭載しても本来の性能が発揮されません。
これは指標となる6Gbps対応であるかどうかではなく、
チップセット自体の処理が間に合わないからです。
特に古いパソコン、例えば945Gや915G以前のチップセットでは、
現在主流のHDDを接続した場合と比べてもそれほどの差になりません。
また、HDDの速度と壊れやすさの関係でも選び方に触れてますのでご覧下さい。