自作PC BIOS設定編。起動順位のほか起動しない場合や初期化、アップデートやパスワードを忘れた場合やおすすめの設定など





自作パソコンの組み立て解説。基本手順とプロの技 - 完全版 BIOS設定編


自作PCのBIOS設定

自作パソコンの組み立てで多くの人が不安に感じるのがBIOS設定です。
項目自体の意味を知らなかったり、何を設定すればいいのか知らないからなのですが、 知りたければ多くの場合は日本語マニュアルが付いてくるので読めば分かりますし、 何より知る必要がなくなってきているとも言えます。
気負わず気楽に臨んで下さい。




自作パソコンのBIOS設定の基本

BIOSとは、自作PCパーツの中でマザーボードが持っているパソコンの基本設定情報です。
通常はパソコンの電源を入れたあと、VGABIOSがロードされ、次にマザーボードのBIOSがロードされます。
ここで設定する内容は時計の時刻などと共に保存されるのですが、それを維持する為にマザーボードにボタン電池が付けられています。
そのため、パソコンが電源ケーブルにつながれていない場合に時計が初期化されるような時は、このボタン電池が切れていることになり、当然BIOS設定も初期化されます。
多くの場合はCR2032が使われているので、そのような場合は交換して下さい。

自作パソコンのBIOS設定ではいくつかの考え方があります。

初心者 - 何もしない
初級者 - ブート項目のみ変更
中級者 - マニュアルを読みながら1項目ずつ確認し、一通り理解だけはしておくがブート項目のみ変更
上級者(エキスパート) - 新旧問わず全ての項目を覚え、理解しておく
上級者(一般的な範囲) - 新しい項目は一応目を通し頭の片隅に入れるが、基本スルー

これまでは最低でもブートデバイスの起動順位だけは変えなくてはいけなかったのですが、最近(2013年7月)では初期設定でひとつの光学ドライブが1番、ひとつのHDDが2番となることもあって、 全く何もBIOS設定しなくても大丈夫な場合もあります。
ただこれはそういったマザーに限った話ですし、例えばストレージデバイスを全くつながずにBOOTしたような場合は、後から認識させるデバイスが1番にならないこともあります。
その場合は最低でもブートデバイスの順番は変更して下さい。

中級者となるとできれば全ての項目は理解しておきたいものです。
なぜならパソコンを使うユーザーによっては理想的な設定もあるからです。

上級者ともなるとやはり全ての項目は理解しているのですが、それらを全て覚えているほどのエキスパートな人はそうそういません。
自作PCパーツの中でもマザーボードは新機能などを早めに搭載する必要があり、物によっては規格が正式に策定される前にサポートすることもあります。
ただそういったものは適当に付けられた設定名称であったり、それ自体が一般化しない場合もあります。
特に最近は機能拡張などで設定項目が以前よりも遥かに増えていて、それを覚えるだけでも大変なのに、近い将来枯れるような設定内容をいちいち覚える必要も無く、時間の無駄にしかなりません。
もちろん覚えるべきものは新しい物でも覚える方が良いので、その辺の見極めも必要になってきます。
多くの項目を覚えていて役にたつのかというと、必ず役に立ちます。
今でもBIOS設定によりトラブルの回避が可能な時もあるので、重要な項目は全て覚えておくことがおすすめです。

自分のパソコンの場合、詳細に設定することで有意義に活用できるのでいいのですが、自分以外の誰かの自作PCを組み立てた場合、BIOS設定は可能な限りデフォルトに従う方が無難でおすすめです。 なぜならBIOS設定はひょんなことからデフォルトがロードされることがあるからです。 近年で言えばAHCIが正式にサポートされたWindowsVista以降、AHCIでインストールするのが正解ではあるのですが、BIOSのデフォルトがIDEの場合、何かのはずみにデフォルトがロードされると、OSが起動しないことになります。
また、ファンの回転数などを落とす場合も同様なので、その場合は初めから静かなファンで構成しておくべきです。


自作パソコンのBIOS設定のやり方

実際にBIOS設定をしていきましょう。
パソコンにキーボードやモニターなどを接続して電源を入れます。
画面に何か表示されたらしばらくの間DELキーをチョンチョンと押し続けると、BIOS設定画面になります。
押しっぱなしはダメですし、過度に連打するほど押さなくても大丈夫です。
初回起動時のみDELではなくF1を押す場合もあります。

BIOSアドバンスモード
・ 画面右上のExit/Advanced ModeからAdvancedModeに

現在は以前のBIOS画面と違い、UEFIのグラフィカルな物になっている場合がほとんどですが、このメニューは「イージーモード」や「グラフィカルモード」はおすすめしません。
はじめから「アドバンスドモード」などの完全メニューで操作することをおすすめします。
写真や手順はAsusのP8B75-M LX PULSのBIOSですが、ほとんどの場合マザーボードやメーカーを問わず同じような内容となっています。

BIOS設定で言語と日付を合わす
・ System Language(言語)はEnglish、日付と時計を合わす

また、言語設定は絶対に英語(通常は標準で英語)で行います。
日本語にしてしまうと意味を履き違えてしまうからで、英単語をそのまま覚えてしまう方がおすすめです。
これは日本語に限らず、スペイン語がペラペラだからといってスペイン語にはせずに、必ず英語にします。
英語の意味が分からないからと言って日本語にしても分からない事も多く、例えば「半二重」と書かれていて、予備知識も無くこれがどういう意味でどういう動作になるか分かる人はエスパーです。
さし当たってはEnable(有効)、Disable(無効)という事だけ覚えておいて下さい。

また、ここで日付と時計を合わす事もできます。
キーボードの+と-、TABで移動などで合わせるのですが、Windowsインストール中や起動後に合わす事もできます。
極端にずれている場合は必ずここで合わせましょう。

BIOS設定の各項目ごとの詳細な説明はマニュアルにも記載されているので、興味があるなら全て読んでおく事をおすすめします。
この設定はほとんどの場合標準設定で問題ないのですが、商品の過渡期などでは設定しておくべき事もあります。
例えば、ストレージの転送モードが標準でAHCIになっていないなどです。
P8H75-M LX PLUSの場合、標準でAHCIですし、同時期以降に発売された物は恐らく全てAHCIでしょう。
ただ、OSとして標準でAHCIがサポートされるようになったWindows Vista発売から7が主流になってしばらくまで、標準でIDEなどになっていました。
わざわざIDEを選ぶ必要は無いので、知っているならAHCIにする方がメリットはあります。
ただIDEで動かないわけではないので、こだわるかどうかはその人次第でしょう。

これらの設定はトラブルが起こった場合の回避やリソースの節約、パフォーマンスの向上として変更する場合もあるので、知っているほど有意義に活用できます。

BIOSで起動順位の変更
・ BOOTメニューから1番目のデバイスを選択しEnter、ウィンドウ内で1番にしたいデバイスを選びEnter

BIOS設定では最低でも起動順位は確認しておきましょう。
これも最近では標準で光学ドライブが自動で1番になっていたりもしますが、念のため確認し、違っていれば光学ドライブを1番にします。(OSインストールが光学ドライブの場合)
操作方法はマザーボードにもよりますが、多くの場合は変更したい箇所でエンターキーを押し、出てきたメニューから変更したいデバイスを選択するというものと、 変更したい箇所でキーボードのプラスやマイナスで上や下に移動させるなどです。
商品によってはスペースキーで移動する場合もあります。

起動順位については、現在のBIOSではかなり多くの数までブートデバイスとして確認してくれるので、仮に光学ドライブが4番目5番目であっても、DVDメディアからの起動ができます。(以前は1番と2番しか起動しないなど)
ただそれは上位に起動できるデバイスがない場合に限ります。
USBブートに関しても考え方は同じなのですが、USBブートは他に「USBブートを許可するか」といった項目があるものもあるので、USBブートができない場合は探してみて下さい。

設定を変更した場合、最後はEXITメニューから Save&Exit といった項目から保存して終了します。
また、何かトラブルが起こった場合や中古品を購入した場合は、Load Default で標準設定をロードしてから設定をしなおす方が無難です。
保存する前にインストールしたいOSのメディアを入れておきましょう。
初心者の場合の設定はここまでで十分でしょう。

また最近では、こうしてCPUを取り付けて初めてブート、設定した際に、何回か勝手にリブートを繰り返す事もありますが、これは設定を保存適用する為にBIOS自身がやっている事で、挙動がおかしいわけではないのでご心配なく。


中級者向けBIOS設定

できればチェックしておきたいBIOS設定の項目を中級者向けとして紹介します。

・ VTがDisableになっているか - ハードウェア仮想化サポート。仮想OS等を使う場合はEnable。
・ SATA ModeがACHIになっているか - NCQなどのサポート。Windowsの場合Vista以降は通常AHCI。
・ FrontPanelAudioがHDになっているか - HD/AC97の切り替え。PCケースの結線に合わせる。
・ WakeOnLANがDisableになっているか - ネットワーク経由でのブート。使う場合はEnable。
・ ハードウェアモニターのCPU温度 - CPUクーラーが正常に取り付けられているかの確認になる。
・ FAN制御項目 - 必要であれば変更。
・ 光学デバイスブートがUEFIになっているか(Windows8以降の場合) - 7以前の場合は必要無し。

これらはいずれも標準のままでかまいませんし、FrontPanelAudioなどは今更確認する必要もほとんどありませんが、古くても良いPCケースを使っている場合はAC97の場合もあるので変更が必要です。
WakeOnLanは使う場合はEnableにしますが、それ以外はDisableにしておく方がいらぬトラブルを招きません。
これも普通はDisableとなっています。
他にもWakeOnKeyboardやMouseなどもあるようなら確認し、使わないならDisableにしておく方がおすすめです。

BIOSはそれ自体の挙動がおかしい、おかしくなる時もあります。 特にハードウェアモニターのモニター値や、そのページ自体の表示が正常に行われないなどです。 接続するファンなどによって改善される場合もありますが、このページ自体あまり深く気にするほどではありません。 また、良く分からない状態になった場合はLoad Defaultで初期設定に戻したり、CMOSクリアをします。 自作PC自体の挙動がおかしい場合はそれで改善できる場合もあります。

BIOSの更新(アップデート)は通常行いません。 近年のBIOSは壊れることがなかなか無く、アップデートに失敗しても復元が可能ですが、かといってそれでむやみにBIOSをアップデートする必要はなく、おすすめもしません。 通常BIOSはバグフィックスや、未知のCPUサポートのためにアップデートされます。 これらの更新履歴は配布されるBIOSファイルと共に確認でき、使っているマザーのBIOSバージョン以降の更新履歴を確認し、該当する場合にのみアップデートします。

例えばAsusのP8B75-Mの場合、BIOSバージョン1401の履歴にSupport Deep S4 hibernate functionとあるので、より詳細に電源設定をするのであればBIOSをアップデートする価値はあるかもしれません。

自作PCのBIOS設定はこの程度で十分ですし、通常は「BIOS設定のやり方」内の項目のみでかまいません。
しかし知識としては各項目を理解しておく方が有意義に活用できるので、暇がある時にマニュアルを読んだり、調べたりすると良いでしょう。


BIOSが起動しない場合

自作PCが完成し、さあ電源を入れよう!
と意気込んで電源スイッチを押したみたものの、全くBIOSが起動しない時があります。
BIOSが起動しない場合、以下の2点のいずれかが原因です。
・ 取り付けに失敗している
・ パソコンパーツの初期不良

この場合に多いのが「取り付けに失敗している」で、これには「失敗してすでに壊している」や「合わないパーツを付けている」も含まれます。
初期不良が全くないとは言えませんし、特にサードパーティー製のBULK品では稀にありますが、それをあなたが引く確率はすごく低いです。

始めてパソコンを組み立てたのであれば、相当な時間を費やしていると思いますが、この場合に最も基本の検証方法は「マザーボードをPCケースから取り出す」です。
箱の上などにマザーボードを置き、動作するために必要な最低限のパーツ(CPU、メモリ、電源)だけを取り付け、 キーボード、モニターを接続して、電源オンのピンをマイナスドライバーなどでショートし、起動を試みます。
「わざわざ外さなくても」と思って外さずに、BIOSが起動しないままの人は非常に多いです。
特にPCケースとマザーの間にあるスペーサーを、必要以上に取り付けてショートしている場合はBIOSが起動しないこともあり、マザーを外すまで気が付きません。
配線にしても逆挿ししているとBIOSが起動しないし、どの配線がダメなのか分からないから全て外すというのが基本になっています。
もちろんマザーを外すために必要なケーブルをいくつか外しながら起動の確認をしても良いのですが、個人的には一度に全て外す方が早いです。

メモリが斜めに取り付けられていて、BIOSが起動しないことも多いです。
メモリの取り付けの項でも書いていますが、メモリの取り付けはすごく硬く、押し付ける手が痛くなるほどです。
そういうこともあって、メモリが斜めになっている人は非常に多く、「斜めになっている人が非常に多い」と言うのですが、「自分は大丈夫」と思い込んで斜めのままの人が多いです。
どれくらい刺さっているか分からないのであれば、これもマザーボードをケースから取り外し、横から見る方が確実です。

また、逆挿し防止のコネクター形状となっているものを切るなどして強引に接続する人もいます。
特にプラグインタイプの電源ユニットのケーブルは勘違いしやすいので注意が必要です。
BIOSが起動しないどころか、普通は壊れます。

元々動作していたPCが、ある日突然BIOSが起動しなくなった場合は電源ユニットの劣化が原因であることが多いのですが、グラフィックカードが刺さっているなら外してみる(消費電力を減らせる)、 メモリが2枚以上刺さっているなら1枚ずつ外してみる、といった部分は個人がその場でも検証できるのでやってみて下さい。


起動順位に関する回答

BIOSの起動順位の設定については上で書いた通りなのですが、UEFIに変わってから起動順位に関することを聞かれることが多くなりました。
「起動順位の設定がある」ということを知っている人が質問されてくるので、全くの素人ではないのに、起動順位について質問されるのです。
その中で多いのが「Windowsを再インストールしようとしてDVDメディアを入れているのに、Windowsが起動する」というものです。
もちろん光学ドライブが起動順位の1番になっていて、です。

HDDにWindowsがインストールされると、Windows boot managaerというものがブートデバイスとして挙がってきて、それを起動順位の1番にしておくとWindowsが起動するようになりました。
自作PCのマザーボードのBIOSは言わばフル機能なので、その部分の設定も思っている通りにできるのですが、 メーカー製PCや一部の組み込みPCではそれができず、見た目には起動順位の1番をDVDにしているにもかかわらず、WindowsのインストールされたHDDが接続されていると、 自動的にWindows boot managaerの起動に行ってしまう、というものです。

この場合もBIOS設定で解決できるものがほとんどなのですが、そのやり方が分からなかったり、項目自体を見つけられないのであれば、他のPCなどで一度そのHDDをフォーマットすれば良いです。

BIOS設定で期待できる方法は以下があります。
・ ブートオーバーライドが可能なら、直接DVDメディアなどの起動したいデバイスを指定する。
・ Windows boot managaerやHDDを起動順位からDisableにする。


BIOSを初期化するいくつかの方法

例えば中古のパソコンを購入した、以前にどんな設定をしたのか忘れた、と言った場合などでBIOSを初期化したい時があります。
通常はBIOSのEXITメニューに
・ Load Setup Defaults
といったものがあるので、それを選びエンターでBIOS設定が初期設定に戻ります。

また、上記メニューからBIOS設定を初期設定に戻しているにもかかわらず、正常動作しない時があり、その場合はCMOSクリアのジャンパーを使って初期化するのですが、実はこれも稀に正常に機能しない時があるので、 BIOS設定を完全に初期化したい場合はマザーボード上にあるボタン電池を外すのが確実です。 (コンセントを外した状態で。外したあと念のため数分放置する。戻ったかどうかが分かるようにどこかの設定を変えて覚えておくと良い)
これにより次にPCを起動させた時は自動的に初期設定がロードされるので、その後Saveして下さい。
これはCMOSクリアのジャンパーが無い・見つからないの他、BIOSパスワードを設定していたが、そのパスワードを忘れたといった場合にも有効です。
BIOSのパスワードを解除するにはそのパスワードが必要なのですが、ボタン電池を外せば初期設定に戻り、パスワードもクリアされます。
逆に初期状態でパスワードを入れないといけないものを、設定でパスワードを入れなくても良いようにしていた場合にBIOSを初期化する場合は、正しいパスワードがあるか事前に確認しましょう。
初期状態でパスワードが必要なものは自作PCのマザーボードでは通常ありませんが、企業向けのシステムなどであります。


BIOSのバージョンの確認方法

BIOSのバージョンは通常、起動時のPOST画面やBIOSメニュー内で確認できます。
BIOSメニューへの入り方は、上記の「BIOS設定のやり方」の項を参照してください。

「新しく購入したCPUとマザーボードで、BIOSが対応しているかどうかを知りたい」という場合は、対応しているCPUが手元にある必要があります。
箱のラベルに書いてあるというようなこともありません。

上の赤枠でも触れましたが、BIOSの更新(アップデート)は通常行いません。
初めからBIOSのアップデートをすることを前提にマザーボードを購入するのは、どうしても使いたいCPUの方が新しく、流通しているマザーボードのBIOSバージョンが古い場合です。
その場合でも、もしかしたらそのマザーボードに新しいバージョンのBIOSが入っているかもしれないので、まずはバージョンを確認します。

そのマザーボードにどのバージョンのBIOSが入っているかは、基本的に誰も把握していません。
唯一知っている人がいるとしたら、そのマザーのCMOSにBIOSを書き込んだ製造メーカーの作業者くらいです。
販売メーカーや販売店は普通は知りません。

ひとつあるとすれば、近いロットナンバーですでにパソコンを組み立てた人に聞けば分かるのは分かります。


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